【解説】怪盗ハッチさん

解説記事

謎Jです。6作目である『怪盗ハッチさん』公開からしばらく経ちました。予定から大幅に遅れてしまい申し訳ございませんでした、なんとか完成に漕ぎつけてよかったです。

本記事では監督である自分が本作品に込めたテーマを解説をいたします。

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元ネタ

今回の楽曲は、『かぐや姫』またの名を『竹取物語』がモデルになっています。
知ってますでしょうか、かぐや姫、日本最古のおとぎ話らしいです。光る竹から生まれた赤子が絶世の美女に成長して複数の男から求婚されるも、無理難題の宝物を要求して結局誰も持ってこれずに姫は月に帰って終わりっていうめちゃくちゃな話です。前作マッチ売りの転売ヤーのモデルよりもめちゃくちゃですね。ファンタジー全振りです。世知辛さよくばりセットマッチ売りの少女とはエラい違いです。

じゃあマジで無理難題も全てクリアしてしまうもっとめちゃくちゃな人間が居たら…?

…きっと結果は変わっていなかったと思います。原本を詳しく読んだワケではないのですが、かぐや姫は宝物を持ってきてくれる人間と結婚したかったワケではなく、結婚したくなかったので断る理由を作っただけっぽいのです。地球に永住するワケでもなくラストで月に帰ってましたから、もう最初から目的、結末は決まっていたのですね

そんな中で抗える要素があるとすればプロポーズを断られた時に求婚者はどのようなアクションを起こすか、だったでしょう。ハッチさんは潔く諦めたようですが。

過去作『飲みサーの吸血鬼』の頃のように、ハッチさんは「好きな相手が嫌がったらやめる」という思いやりを持ち合わせているようです。

ああ、そうだこの際言いますがキャシーさんとハッチさんは同一人物です。

細かいとこ解説

今作は今までの作品と違って裏テーマ的なものもほとんどないのでストーリーについて詳しくお話しようと思います。MV中で十分な情報量を提示したつもりですが、これは念のための確認作業のようなものになります。

時系列

『怪盗ハッチさん』の時系列ですが『飲みサーの吸血鬼』の後です。

『飲みサーの吸血鬼』のラストにこんなシーンがありましたがここから怪盗ハッチさんのMVの背景色に移動するような伏線がありました(カラーコードは正確には違いますが)

バラの本数と色

花というのはとてつもなく分かりやすい考察要素というもので、制作の際にはちゃあんと本数による意味を調べました。資料によって若干意味や本数にブレはあったのですが概ね皆々がコメント欄に書き込んでくれたような意味になります。1本は「一目惚れ」とか。

バラの本数に意味を込める文化は西洋よりも日本でより細かく発展しているそうで、西洋はどちらかというと色を重視するそうです。

赤いバラの花言葉は「愛」「情熱」「美」など、なんか花言葉界の主人公みたいな意味をしています。

青いバラの花言葉は「不可能」「奇跡」等、元々自然界に存在しなかった色のため長らくは「不可能」が主流だったそうですが人工的に生産が可能になるとそれを覆すような意味も付与されたそうです。

余談ですが日本由来の花言葉の場合、プロポーズには108本のバラを使うんですって、108=永久とわ と読めるからだそうですが、これ煩悩の数と一緒ですよね それはいいんでしょうか…

みつぎもの

ハッチさんはずいぶんと色んなものを持ってきたようですがビジュアルとしては日本海外問わずおとぎ話に関連する宝物を描いています。(全然関係ない現代的すぎるものもありますが)

なんでニワトリ?と思った方も居たと思いますが、これはイソップ寓話集の『金の卵を産むニワトリ』からきています。ところでこれよく見るとオスじゃないですか?

金の卵は回収できたようなのでヨシとしましょう(画面左上)

赤と白のボーダー

そういえばみなさん、『ウォーリーをさがせ!』という本をご存じでしょうか、緻密に描き込まれたイラストの中から「ウォーリー」ってヒトを探すパズル形式の本です。そのヒト、赤と白のボーダーの服をしているんですよね、その模様は精神異常者の囚人服で、彼は脱獄者なのだという都市伝説があります。あくまで都市伝説です。どんなに調べてもそんな事実はありませんでした。むしろ彼は異世界を飛び回って事件を解決するエージェントみたいな仕事をしているという公式設定があるそうです。
そんな彼、我々の世界ではどっかの国のハロウィンのコスプレ対象として何気に人気だったりで、わりと有名なキャラクターです。(…だと思っていますが今の若いコには分からないのかもしれない)

何かハッチさんと共通点のようなものを感じますね。別にキャラクターとしてのモデルというワケではありませんが、赤白ボーダーの囚人服って実在するんだろうかと思って調べた際に知った知識の共有でした。

レターボックス

最後にメタ的な要素についてお話して終わろうと思います。

本作はこんな上下に黒い帯が入るシーンがあります。映像用語で”レターボックス“といいます。比率を維持してワイドな画面で見られるようにする技術です。入れるだけで雰囲気出るんですよね。

つまりこれは”映像作品”であるという証明です。今作ではこれが企画されたもの、計画されたシナリオの上であるという暗喩として使用しています。

ここでかぐや姫のストーリーを思い出していただきたいのですが、最初から誰の想いにも応えるつもりはなかった、という決まっていた結末の要素を視覚的に絡ませたものになります。

その意図を加速させる要素として、クラッパーボードがあります。またの名をカチンコというヤツです。映画の撮影に使われるもので、シーンの開始を告げる道具です。また、カチンコごと録画してその書いてある内容から映像の順番を整理するのにも使われます。

ちなみにSCENEはハッチさんの年齢、ROLLは『怪盗ハッチさん』が6作目であるため6と記載しています。TAKEは普通にテイク数、やり直し回数ですね。一番上のPROD.(production)はプロジェクト名みたいなものです。Phantom Thief Hatch(怪盗ハッチさん)と書いています。

TIMEはMVの再生時間に同期していますが、通常のクラッパーボードにこういう表記はないです。あるならもっと日付とかですね。

DIRECTORは”監督“です。A.Wと見えますが誰なんでしょうね

このように『怪盗ハッチさん』は誰かが仕組んだ計画的なストーリーと言えそうです。それは誰だったのでしょうか、目的はなんだったのでしょうか

本当に最後まで計画通りだったのでしょうか

監督のひとこと

いや~時間掛かりましたね本当、当初は3か月で作ろうとしていたのですが今思えば無謀すぎるボリュームだったと思います。でも8か月は掛かりすぎ!!せめて5か月でイケた!!!!…という反省会は置いといて、望んだものを貢ぎ続けても永遠にその関係が続くワケではないってのはアーティストとそのファンの関係に似通ったものがあるなと思いながら制作をしていました。当スタジオは商業で音楽をやっている訳ではなく、自己満足を垂れ流すみたいなカンジで作品を作っています。本当に自己満足ならファンなんて0人でもやっていけるはずだし、そもそもこんなインターネットなんかに作品を放流していません。自分以外にもそれを好いてくれる人が欲しいという下心満々で堂々と見せびらかしているのです。作品作りは自分のためでもあり、ファンのためでもあるのです。自分のやりたい表現を入れながら、多少媚びます。しかしすべての人が最後まで付いてきてくれることはないでしょう。昔の方がよかったとか、もう飽きたとか、他にもっと好きな人ができたとか、なんとなく熱を注げなくなったとか、見返りはいつでも返ってくるとは限りません。そんな時我々はキッパリと諦めるのです。引き留めるなんてできないのです。作品の価値を決めるのはその視聴者で、その点で言えばアーティストよりもファンの方が立場が上なのですから。でもそれでいいのです。確かに愛してくれていたことには変わりないのですから。怪盗ハッチさんは2年前の構想当初から構成が最初から最後まで決定していました。謎J作品がそこそこ有名になったことによるアーティストとしてのありふれた不安を投影した作品というワケではないです。その辺りはご注意ください。

そういえばみなさん、今回の隠しページにはたどり着けましたか?

便宜上、https://studiojejeje.com/2nd/secret/○○○.html で統一されているものです。

今まではQRコードからたどりつけたものです。

ヒント

ルナさんは誤認逮捕だったみたいですね

どうしても隠しページにたどり着けない人用

comment

  1. A.W?….もしかしてAgent White?

  2. あっ……ルナさん……

  3. 92233720368が64ビット符号付き整数(9223372036854775807)の桁を削った形なのはわかるけど、なぜ変なところで区切られてるのか疑問‌
    よく見たら5が見切れてる…のか?

  4. ふなあああ……たどり着けんかった……

  5. 隠しサイト、、二つあるんだ、、今回、、

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