謎Jです。1作目である『オーバーキル!』公開からしばらく経ちました。たくさんのご視聴ありがとうございます。音楽的にも映像的にもまだまだ至らぬ部分がありますが、スタジオ一同一生懸命制作しましたので、ようやく発表に漕ぎつけてよかったです。
本記事では監督である自分が本作品に込めたテーマを解説をいたします。
映像・音楽の技術的な解説はほとんどございません。解釈の余地…といいますか歌詞についての解説もほとんどございません。よければお付き合い頂けると幸いです。
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論理より感情で構成された文章が主になります。苦手な方はお気を付けください。
『オーバーキル!』の裏テーマ
MVの映像ですが、人造の吸血鬼であるソルくんと、それを殺そうとしてるロベ…制作者さんのオハナシでした。
これを『オーバーキル!』の”表テーマ”とするならば、
“裏テーマ”は
「殺され続ける作者と作品」になります。
殺され続ける…というとまだ曖昧な表現になるのですが、
もう何も包み隠さずストレートにお伝えしますと、
「インターネットで創作活動をしてきたが、何らかの理由で嫌になったため、自身の作品を殺して、共に死亡したのに、 信者が作品を生き返すので、 完全に死ぬことができなくて嘆いている」
…といったカンジになります。
正式には、実際に死に続けているのは作品を消して消え去りたいと願った作者の意思や精神で、作品は逆に数が増えて過剰に生き返っているといった方が正確かもしれません。
「作者」のモデル
私、謎Jも、歌モノ制作に手を出す以前から、絵を描いたり曲を書いたりお話を創ったりしている”作者”なのですが、この曲の”作者”のモデルは私ではございません。
オーバーキル!における”作者”のモデルは複数存在しており、以下の通りです。
- 楽曲公開のトラブルによるクレームの声で作品を全削除して消えたボカロP
- ちやほやされるのが嫌で作品を全削除して消えた動画投稿者
- 界隈に嫌気が差して作品を全削除して消えたMAD作者(約4名)
具体的な名前は彼ら・彼女らの意思を尊重して伏せることとします。
…とか言いますが、こうやって楽曲のネタにしている時点で尊重もクソも無いと思います。どの方々も自分と直接の関係性はございません。私が一方的にファンなだけです。
オーバーキル!の2番からは、中でも”ちやほやされるのが嫌で作品を全削除して消えた動画投稿者“をモデルに制作しています。とっても不思議に思うのですが、インターネット上に作品を公開しているのにちやほやされるのが嫌なんて矛盾…というか避けて通れないですよね
でも居たんですよ、そんな方がリアルに、そんなコトを言い残して去ってしまったんですよ。
彼の作品は今や沢山の人々にリスペクトされ、一つの確立したジャンルとして賑わう界隈として成長しています。引退した彼がそれを喜んでるか悲しんでるか憤っているか無関心か知りもしてないかなんて知りようもないのですが…
作者、といいますが、似たような要因で姿を消した歌い手や演じ手といった広義でいう”表現者”全般にも通じる部分があると思います。やっぱり具体的な名前はここでは控えますが…
サビのシルエット
サビの8小節間でアニメーションするビジュアル群の一覧です。
こちらは1番で“作品”に対する「加工」「改変」をイメージした道具です。
こちらは2番で“作者”をボッコボコにしていた要素の象徴になります。
1番と違ってそれぞれ意図するものがバラバラになっています。隠しにしてみたので予想してみたい方は頭に思い浮かべてからご覧ください。
1:発見 2:発掘 3:拡散 4:(概ね3と同じ)
5:注目(晒される) 6:吟味 7:評論 8:匂わせ
そういえばこのサムネは詐欺でした。こんなシーンはMV中には存在しません。
信者のみなさん
このMVに出てくる第三の登場人物です。ファンを”信者”と訳すのは意味合いが違うというか、過激かもしれません。しかしそこまで心を奪われて心の支えになってしまっているならその作品は神みたいなもので、それ広めようとしたり残したりするのは、なんだか一種の宗教みたいだな、と感じた次第です。
なのでMV中では作品に心を奪われた人たちとして、聖職者っぽいヒトたちを出しています。
このカットで作品側(左)の方が掴む手が若干多いのは、
作者その人や意思を想うよりも、その作者が残した作品に縋りつくヒトの方が多いだろうなという見解によるものです。今思えば9:1くらいでもよかったかもしれません。
この作品を作るにあたり、昔ボーカロイドで作品を作っていたものの、諸事情で作品を全て削除して引退してしまった作者のアーカイブを検索してみました。
正直、私が好きなアーティストだったので、また作品が見たいという欲望も混ざった行動ではありましたが。
…想像通り、1作目から最新作までそっくりそのまま動画が無断アップロードされているのはもちろん、彼女がかつて開設していた自身の楽曲の解説サイトなんかもそっくり復活しているようで驚きました。
好き、ゆえでしょう。嫌いならわざわざそんなコトしないでしょう。ファンなのでしょう。
その作者さんは自身の作品の転載を禁止して去っていったはずなのですが…
そんなコトするから生き返ってくれないんじゃあないの!?
1作目である理由
この作品を1作目にしなければいけない理由がいくつかありました。
- シンプルに処女作だから
- 1作目以外だと発表するタイミングが引退時しかない気がするから
- 名の知れてない内に好き勝手やりたいから
もしかしてJのヤツ、創作行為に飽きてしまったのでは…!?と思われるのが怖くてヒヤヒヤしてたのですが、幸か不幸かそんなに伸びなかったので、そこまで深く捉えられなかったようでよかったです。張り切ったのがはずかしくなってきた
作者として
最後に、私はモデルにした引退作者たちの気持ちが微塵も分かりません。
作品によっては、クオリティが低すぎて消しておきたいとか思ったり、後から恥ずかしくなって展示台からこっそり取り下げたりとかした経験はあるんですが、引退と共に当時の自身が情熱注いで世に送り出した作品を、沢山の人に愛された作品を、さっぱり消してしまうなんて理解できません。
否、沢山の人に愛されずとも、誰にも見てもらえてなかったとしても、その作品を作った当時の作者は確実に自分の作品を愛してたはずなんです。同じく物づくりをする生物として私はそう思いたい
それでなお丸ごと消えてしまいたくなるくらい嫌気が差したり、誰かに追い込まれたりした経験が私にはないもので、
理解できない、
理解できない、
若干の疑問と怒り、
理解できないゆえ、
勝手に想像して書いた歌です。
それが『オーバーキル!』になります。
私も作者として、いつか彼らの気持ちが分かる日は来るのでしょうか?
2023年3月18日現在、謎Jの作者としての意思表示ですが、自分は作品を創って発表することが、自分がの存在意義であり、最高に楽しいことだと認識しています。何らかの理由で創作活動を辞める日が来ても、作った作品を消してしまおうなど微塵も考えていません。きっと消したところで誰かが生き返しますしね!!なんなら生き返してください。まだ死んでないのに無断転載は勘弁してほしいケド…
現在の私が一番エラいので、未来の私が逆の主張をしたとしてもその言うことは聞かないでください。年功序列は適用されません。
私はそれを死体蹴りとは思わないことを約束します。
おわりに
お疲れ様でした。これで解説は以上になります。
まさか楽曲出すたび毎回こんなお気持ちクソ重長文を読まされるのか!?
と危惧されてるやもしれませんが大丈夫!そんなことはございません!
他は裏テーマなんてない単純なイメージソングが主です!
こんなカンジのメタメタなモノを内包した楽曲は全体の2割くらいしかないです!
…ということでこんな記事は初回にして稀ということをお伝えいたします。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
それでは次回作でお会いしましょう!
次回作も残りの2割に該当するタイプの作品の予定です。
謎J